傷跡が残る
植毛で最大のデメリットやリスクとして認知されているのが、傷跡が残り目立ってしまうということです。これは自毛植毛も失敗例で最も問題とされている点で、ドナーとなる自分の髪の毛を摘出するにあたり、後頭部や側頭部の毛を抜き取る際にメスを入れることで、そこに傷が残ってしまいます。
メスを使用するのはFUT法と呼ばれる手術方法で、髪の毛を摘出する部分に縦2ミリ、横2センチの傷跡が残ってしまうのが欠点です。もちろん、髪の毛を摘出した部分に十分に髪が生えていれば、外から見て明らかに目立つということはありませんが、髪の毛を採取した部分を刈り上げたり坊主頭にしたりすると、傷跡が露わになってしまうということがあるようです。よって、刈り上げるようなヘアスタイルの方は注意が必要です。
仕上がりの不自然さ
仕上がりが不自然になるというのもデメリットの一つでしょう。「自分の髪の毛を植えるので不自然にならないのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、特に生え際の植毛に関しては注意が必要です。これは植毛を行う医師やクリニックが持つ知識や経験、そして技術に大きく依存していると言われています。
生え際は、気の流れ方や濃さ、毛の太さ、毛の性質や高さなど、詳細な条件までじっくりと観察し入念に考慮した上で移植しなければ、確かに自然な生え際にはならないことが多々あります。人工繊維を植え付ける人工毛植毛と比べて、極端に不自然になることはないものの、自然な生え際のまっすぐ一直線に揃っていない様や、密度や濃さが自然であることが非常に重要です。植毛後に脱毛が進行し、植毛部分と脱毛部分の間に溝ができてしまうケースも稀にあるようです。
生着率が関係している
生着率が悪く、せっかく植毛しても再び抜け落ちてしまうというのもリスクのひとつです。自毛植毛した髪の毛の何パーセントが生着し、その後も健康的に伸び続けてくれるのかは、ひとえにクリニックの技術次第とも言えます。技術が良くても、脱毛症の影響力が強すぎて結局抜けてしまうという可能性もなきにしもあらずですが、基本的にクリニックや担当する医師の技術が確かであれば、移植後の生着率は9割を超えるのが一般的です。
これには、ドナーとなる髪の毛を抜き取った後、できるだけ速く対象となる部分に植毛する技術が関係しています。摘出した後に血液に触れていない時間をできるだけ短くすることで、毛髪を生きた状態で移植することが可能になります。こうした技術を十分に持っているクリニックや医師を探す必要があります。