必要な期間
まず、自毛植毛で移植した髪の毛が生着するまでに1~2週間ほどの期間を要します。多少の個人差があるものの、2週間もあればほぼ全ての方の髪の毛が生着すると考えられています。しかしこの期間は頭皮を休ませる必要があるため、手術後1週間は日常的な活動を活動を極力控えた方が良いと言われています。手術によって生じた痛みや赤み、かさぶたなども2週間程度を目安に落ち着いてくるでしょう。
手術直後はシャンプーもできず、頭皮へのあらゆる刺激を避けるよう推奨されているものの、2週間を目安にある程度日常へ解放されると考えてもいいでしょう。この期間により、移植した髪が移植先の皮膚へ生着し、細胞が息を吹き返すことで髪の毛が生えてくるのに必要な、基本的な頭皮や細胞の状態が整います。
術後の頭皮の扱いに注意
ほとんどのクリニックでは、自毛植毛手術後の移植した髪の毛が生着する確率を90%としています。つまり1割程度は手術の過程や術後の経過で失われてしまうのが普通で、これが今のところの自毛植毛手術の限界となっています。自毛植毛手術後に少しでも移植した髪の毛が生着するように、術後ある程度の期間は特別に気をつける必要があります。施術法や手術後経過した時間にかかわらず、移植した部分への刺激は厳禁です。
かゆみや痛みが発生してどうしても触れたくなってしまうかもしれませんが、今まさに生着しようとしている髪の毛のダメージが発生してしまうため、髪の毛を移植した部分は極力触れずに、またシャワーなどで刺激を与えることを避けましょう。髪の毛を洗いたくなるのは当然なため、少なくとも手術の翌日の夕方からシャンプーを行いましょう。
血流の状態にも気をつけよう
そのように丁寧に移植部分を扱っっていけば、半年もすれば十分な髪の毛が生えてくるようになります。術後の1か月から3か月以内は一時的な脱毛が発生するのが通常であり、移植した毛根や毛母細胞が定着するまでに、抜け毛がしばらく続く場合があります。その間も基本的には刺激やダメージを与えることを避けつつ、髪や頭皮を丁寧に扱っていかなければなりません。
加えて、アルコールを摂取することや激しい運動を控えるのが最善です。血流が極端に良くなってしまうと、移植手術を行った部分が血流の増加に耐えきれず、出血を起こしたり傷口が開いてしまったりする危険性があります。手術後1~2週間程度は湯船につかることも控えるのが望ましいとされており、血流の状態まで細心の注意を払ってコントロールしているのが最善です。